自治会や町内会がなくなるとどうなるんだろう?

自治会や町内会がなくなるとどうなるんだろう?

日本の地域社会において、自治会や町内会は長い歴史を持ち、地域のコミュニティ形成に重要な役割を果たしてきました。しかし、近年では若い世代の加入率が低下し、自治会の存続が危ぶまれる状況にあります。実際、僕が会長を務めた自治会においても未加入の世帯もありますし、退会を申し出る方もいます。もし、自治会や町内会がなくなったら、地域社会はどのような影響を受けるのでしょうか?その可能性について考えてみます。

目次

自治会や町内会がいらないという理由

自治会や町内会への加入は義務ではありませんし自由です。しかし地方都市ではアパートならまだしも家を建てたら何となくその地域のコミュニティに関わるために自治会や町内会に加入するのが当たり前という雰囲気になっているところもあります。ですからある地域に引っ越したりすると近所の自治会に加入している方から

自治会員3

自治会に入りませんか?

なんて声かけられたりしても断りづらいものです。

しかし、加入したら今度は自治会費は払わないといけなくなるし、町内の清掃活動やら行事などへの参加をお願いされるし、挙句の果てには…

自治会員3

新規に加入された方には翌々年度の組長さんをやっていただく決まりになっているのでお願いしますね。

なんてことになります。

地域のコミュニティが大切とか災害とかイザというときのために地域が連携していくことは大切だとは皆さん思っているのですが、組長とか増してや役員や委員なんてやる気はサラサラないんです。正直煩わしいんですね。

住民1

自治会なんか入ったって煩わしいだけでしょ。
面倒臭いわよ。

住民2

自治会に入っていない。
積極的に入りたいわけでもない。

僕も自治会に入っていたってそんなに積極的に関わる方ではありませんでした。組長が回ってくる年度でも出来るだけ目立たないようにして妙な役を押し付けられないようにしてきました。その年度が静かに何事もなく過ぎ去るのを待っていました。しかしそんな僕も自治会長を引き受けてしまう羽目になってしまいました。そのいきさつは別の記事にまとめていますのでそちらをご覧ください。

自治会なんて無いほうがいいんじゃね?

自治会長になってみて分かったことですが、自治会長、町内会長の仕事が多すぎるという事です。おそらく昭和のころの自治会や町内会というのは良くも悪くも地域の男衆が何かと理由をつけて公民館などに集まって飲んだくれたりしてああでもないこうでもないと地域のことについて考えてみたり祭りやイベントをやってみたりしていたのだと思います。

しかし平成に入ってバブル崩壊とともに人々に余裕がなく共働き世帯が増えたこともあり、公民館に集まってなんてことも無くなってきたのかと思います。そして自治会や町内会もどんどんスリム化して行って役員をやる人もいなくなり、結果的にすべてのことが自治会長や町内会長にのしかかってくるようになったのではないかと想像しています。

行事ごとや組織みたいなものは形だけずっと残っているのに携わる人はどんどん減っているのが現在の自治会、町内会組織ではないかと思います。

サイト管理人

運動会とか必要ですか?
旅行とかみんなと行きたいですか?
盆踊りとか夏まつりとか面倒じゃないですか?

昔の自治会長

自治会の行事やイベントは住民同士が顔を合わせてコミュニケーションをとる大切な場所じゃ。

サイト管理人

いや、それを多くの人が煩わしく感じてるんじゃないんですかね?

自治会や町内会が無くなることのメリット

自治会や町内会を廃止することでどのようなメリットがあるのか考えてみましょう。

時間と負担を軽減できる

自治会の役員や活動に参加することは、多くの人々にとって大きな負担です。自治会長や町内会長などの役員や仕事や家庭の事情がある人にとって、自治会や町内会の活動は時間的な余裕を奪うことが多いです。自治会が無くなることで、個人の時間を自由に使うことができ、ストレスや負担がなくなるでしょう。

強制的な参加を解消できる

自治会や町内会活動に参加することが事実上強制されている地域もあります。これにより、一部の住民が不満を感じたり、疎外感を覚えたりすることがあります。自治会や町内会が無くなることで、こうした強制感やプレッシャーから解放され、住民の自由意志が尊重されるようになるでしょう

経済的負担を軽減できる

自治会費や町内会費は、毎月あるいは年単位で徴収されることが一般的です。これらの費用が住民にとって経済的な負担になることがあります。都市部の自治会費は月に300円など低額ですが、地方では月に5,000円と高額な所もあるようです。自治会が無くなることで、これらの費用負担が解消されるでしょう。

個別対応の可能性

自治会や町内会が無くなることで、地域の問題や課題に対して個別に対応する自由が増します。例えば、防災対策や清掃活動などを、より身近な自分たちのペースで行うことができるため、より効率的で効果的な方法を見つけることができるかもしれません。

新しいコミュニティ形成の可能性

仮に自治会や町内会がなくなったとしても人は一人で生活することも出来ません。時には近所の人と力を合わせて何かをしなければいけないこともあるでしょう。そして従来の自治会や町内会に代わる、新しい形のコミュニティやネットワークが形成される可能性があります。インターネットやSNSを活用した情報共有や、特定の趣味や興味を持つ人々が集まる小規模なグループなど、より柔軟で多様なコミュニティが生まれるかもしれません。

自治会や町内会がなくなったとしても…

自治会や町内会が無くなることで、個人の負担が軽減され、自由度が高まるなどのメリットがあります。しかし、これらのメリットを享受するためには、地域のつながりや安全性を維持するための代替手段を考える必要があります。地域社会の変化に対応しつつ、より良いコミュニティ形成を目指していくことが重要ですね。

自治会や町内会がなくなるとどうなるんだろう?を考える

では、自治会や町内会がなくなったとしたらどんなことが起きるか考えてみましょう。これはそれぞれの自治会や町内会で状況が異なります。ご自分の地域の自治会、町内会に当てはめて想像してみましょう。

自治会や町内会がなくなるとどうなる?

地域の防災対応力の低下

自治会や町内会は、防災活動において非常に重要な役割を果たしています。災害時の避難訓練や防災マップの作成、避難所の運営など、地域住民の安全を確保するための活動が行われています。避難所になるかもしれない自治会の集会場などに防災食料などを備蓄しているのも自治会や町内会です。また、自治会内に設置されている街頭消火器の管理も自治会で行われています。自治会や町内会がなくなると、これらの活動が減少し、地域全体の防災意識が低下する恐れがあります。特に高齢者や障がい者など、支援が必要な人々に対するケアが不足する可能性が高まります。近年の各地での災害の状況を見ても自治会や町内会の重要性を感じさせられます。

地域のコミュニティ崩壊

自治会や町内会は、地域住民同士の交流の場としても機能しています。夏祭りや運動会、清掃活動などを通じて、住民同士の絆が深まります。これらのイベントがなくなると、地域のつながりが希薄になり、孤立する住民が増えるかもしれません。特に、高齢者の孤独死や子どもの居場所の問題が深刻化する可能性があります。

情報共有の減少

自治会や町内会は、地域の重要な情報を共有する役割も担っています。自治体からの連絡事項や、防犯情報、地域の行事予定など、住民にとって必要な情報が迅速に伝えられます。自治会がなくなると、情報の伝達手段が限られ、住民が重要な情報を得る機会が減少するでしょう。特にインターネットにアクセスできない高齢者にとっては、大きな問題となります。

地域活動の停滞

ゴミステーションの管理や道路の清掃、地域の美化活動など、自治会や町内会を通じて行われる日常的な活動も重要です。これらの活動がなくなると、地域の衛生環境が悪化し、住み心地が悪くなる可能性があります。また、不法投棄や違法駐車などの問題が増えることも考えられます。ゴミが多い地域にはごみが捨てられていくものです。

防犯活動の弱体化

自治会や町内会は、防犯活動にも貢献しています。防犯パトロールや防犯カメラの設置など、地域の安全を守るための取り組みが行われています。防犯灯の設置や電気代の支払いも自治会の費用で賄われています。これらの活動がなくなると、犯罪率の上昇や住民の不安感が高まる恐れがあります。特に、子どもや女性、高齢者に対する犯罪リスクが増加するかもしれません。

行政との連携悪化

自治会は、地域住民と行政との橋渡し役を果たしています。地域の課題や要望を行政に伝えることで、住民のニーズに応じたサービスが提供されています。例えば道路の補修や交通安全に関する要望を行っています。自治会がなくなると、住民の声が行政に届きにくくなり、地域の問題解決が遅れる可能性があります。

経済的影響

自治会費を通じて、地域の様々な活動が支えられています。自治会や町内会がなくなると、これらの活動にかかる費用を誰が負担するのかが問題となります。結果として、地域の活性化が停滞し、住民への影響も懸念されます。

自治会や町内会がなくなると、防災や防犯、地域コミュニティの維持など、多くの面で影響が出ることが予想されます。地域のつながりや安全を守るために、自治会の重要性を再認識し、若い世代の参加を促す取り組みが必要です。例えば、SNSを活用した情報共有や、仕事と両立しやすい活動時間の設定など、現代のライフスタイルに合わせた改革が求められます。自治会や町内会の活動を持続可能な形で継続していくために、地域全体で協力していくことが大切です。

自治会や町内会は、地域社会の基盤として多くの役割を果たしています。それがなくなると、日常生活の様々な面で困難が生じる可能性があります。地域の未来を守るために、自治会の活動を支援し、住民同士のつながりを大切にしていけるといいですね。

サイト管理人

昭和のような自治会や町内会は無くなってもいいけど新しい自治会組織、町内会運営は考えていく必要がありそうです。

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この記事を書いた人

k2yukiのアバター k2yuki 自治会長・ウェブ屋

当サイトの管理人です。2022年度に組長が回ってくるタイミングで自治会長をやる羽目になりました。500世帯位の自治会で試行錯誤しながら理不尽な要望も聞きながら何とかやっています。そんな僕が自治会長をやって気付いたこと、今後の自治会運営についての考えなどを記事にしています。本業はフリーランスのウェブ屋。1965年製。空いた時間には愛車ヤマハボルトで遊んでいます。

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