スマホを活用した住宅地の道路補修

自治会長の仕事の中に行政への要望を出すという事があります。その中でも地味に重要なのが「住宅地の中の道路補修」です。住宅地の中の舗装というのは幹線道路に比べて基礎がしっかりしていません。ですから年数が経ってくるとアスファルトがくぼんできたり、道路にヒビが入ったり、部分的にアスファルトが剥がれてしまったりします。

幹線道路であれば道路管理の車が日々チェックしているのでしょうけど住宅地の市道はほとんどチェックされていません。そこで住民が気付き、それを自治会長や町内会長に連絡し、現場を確認した後に市役所の道路維持課などに電話して補修を依頼します。僕も自治会長を務めている間に何度か現地を確認して市役所に電話しました。

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補修の必要な道路の場所の特定にはGoogleマップ

市街地の道路の陥没やひび割れ、アスファルトの剥がれなどは放っておくとどんどん酷くなります。雨が降れば水たまりになりますし自転車やバイクの転倒の原因にもなりかねません。そこで市役所に道路補修の依頼をするわけですが、その損傷している道路の場所を伝えるのが電話ではなかなか難しいです。

住宅地はこれといった目印もなく番地もよく分かりません。かつてであれば陥没している道路の前の住宅の人に

自治会員4

おたくの番地は何番かしら?

なんて尋ねることも出来たかもしれませんが、隣同士の行き来も無くなってしまった現在では不審がられるだけです。そこで最寄りのコンビニなどから道をたどって説明していくのですが、その時便利なのはやはりGoogleマップです。

サイト管理人

セブンイレブン○○店から北に進んで3本目を左に入って、2本目を右に角から3軒目の家の前あたりです。

とかお互いにGoogleマップの画面を見ながら説明できます。Googleマップを活用して場所を説明することは道路工事以外にも防犯灯の設置場所の確認、土地の使用許可申請など電話で説明することが多い中、大変便利です。僕が会長を務める自治会では「街頭消火器」設置場所をGoogleマップに落とし込んで自治会や街頭消火器を設置してある組の組長さんが把握できるようにしています。

道路補修の依頼を毎度毎度自治会長が行うのは結構負担

自治会長や町内会長が会員からの連絡で市街地の道路の補修依頼の電話をすることは現役で仕事をしている人にとってはちょっと負担に感じます。自治会長や町内会長ともなると様々な電話がかかってきます。住宅地の道路が陥没しているとかひびが入っているといった情報も自治会や町内会の会員さんからの電話で伝えられます。

日中、仕事をしていれば早々電話に出ることも出来ません。そうなると仕事の間にかかってきた「不在着信」の履歴から折り返して電話し、内容を確認します。そのあと帰宅してから現場の状況を確認します。その時間にはすでに市役所は閉庁しています。ですので翌日忘れないように市役所に電話しないといけません。ちょっとしたことかもしれませんが意外と負担に感じるものです。

僕はまだ自営業ですので時間のコントロールは可能です。しかし土日休みの普通のサラリーマンではなかなか難しいです。昼休みを自治会の仕事で費やしてしまう事にもなりかねません。そこで現在では豊橋市のようにスマホやアプリを活用した道路補修の情報提供を受け付けるシステムを導入している自治体も出てきています。ただ問題はほとんどの人がそのシステムを知らないという事です。

電話というのは結構迷惑な通信手段

話は横道にそれますが、僕はフリーランスのウェブデザイナーです。HTMLのコード書いたりCSS書いたり、WordPressのテーマ作成でPHP書いたりしています。こういう仕事というのは頭の中で色々とコードを組み立てていて端から見る以上に脳みそをフル活用していることが多いのです。

そんな仕事をしている時に電話が鳴ると頭の中で組み立てているものがすべて吹っ飛んでしまいます。簡単に言えば何か物を数えてるとき…途中で関係のない話を話しかけられると「あれ?いくつまで数えたっけ?」となってしまうのと同じです。

クライアントさんや仕事の問い合わせのであれば仕方ないと思うのですが、道路の補修とか○○さんが亡くなったとか「自治会長さん…」という電話だと正直「イラッ」とします。僕の場合、LINEのIDもメールアドレスも組長さんには伝えてあるのですが高齢の方や組長以外の自治会員の方は電話番号しか知らないのでとにかく電話してきます。しかも長い…

平日&日中の電話は困る

自治会長や町内会長には専用の電話を準備するのもいいかもしれないですね。スマホじゃなくてガラケーなら料金も安いでしょうし自治会や町内会の費用負担も少ないのではないかと思います。

LINE公式アカウントを利用した道路補修依頼

豊橋市では2024年3月からLINEの公式アカウントを活用した「とよはし道路通報システム」が始まりました。とよはし道路通報システムの公式アカウントを友だち追加して道路の異常箇所の通報できるものです。僕もさっそく友だち追加しました。マニュアルを見ましたが視覚的にわかりやすいのではないかと思います。LINEの公式アカウントはメッセージの送信数が多くなると有料となりますが、そこまで利用が進むかどうかは未知数ですね。仮に有料となったとしても大した金額ではないですし、便利なので市民の理解は得られると思います。

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今回、豊橋市で導入した「とよはし道路通報システム」ですが、これまでは年間1万件の道路補修の要請があったと報道がありました。単純に毎日50件前後の電話があることになります。このシステムを導入することにより職員の負担が軽減されるといいですね。

とよはし道路通報システム操作マニュアル
https://www.city.toyohashi.lg.jp/secure/108425/dourotsuuhou_manual.pdf

電子申請システム「LoGoフォーム」を利用した道路補修依頼

電子申請システム「LoGoフォーム」

愛知県の尾張旭市ではLoGoフォームという自治体向けの電子申請システムを利用した道路の損傷の通報システムを導入しています。LoGoフォームのサービスは有料のようですがウェブサイトには記載がないのでちょっとわかりません。QRコードからフォームにアクセスするのでこの程度ならウェブサイトの中に組み込めるんじゃないのかな?という気がしないでもないです。

「My City Report」アプリを活用した道路損傷通報システム

My City Report

神奈川県では「My City Report」というアプリを活用して県民から「舗装に穴があいている」、「路面標示が薄くなっている」などの道路の損傷等の情報を提供してもらうシステムを導入しています。便利そうなシステムですが道路の損傷を見つけて通報する前に「アプリのインストール」→「ユーザー登録」→「通報」という段階を踏まないといけないので面倒くさいと感じる人が多いのではないかと思います。

通報状況一覧

また、ウェブサイトで通報状況一覧が掲載されており現地の写真、担当者からのコメント、補修後の写真が掲載されています。

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個人的にはここまで必要かしら?
とおもうシステムですね。

アクセシビリティに配慮したシステムであることが重要

住民から情報提供をしてもらおうというシステムはアクセスのしやすさが重要です。情報を提供する前にアプリのインストールとか様々な個人情報を入力しないといけないとかあると情報影響してもらえません。

FixMyStreetを利用した道路不具合通報システム

仙台市では「FixMyStreet」というサービスを活用して道路の不具合についての情報収集を行っています。ユーザー登録をしたりアプリをインストールすれば誰でも自分の地域の情報を提供できます。ただし自治体の人がこのサービスを利用する際には有料となるため情報のみが提供されて何も対応されていないという地域が散見されます。

いたずら投稿も…

いたずら投稿も

冒頭で紹介した愛知県豊橋市はこのサービスは利用していません。しかし市民と思われる方からの情報は提供されています。しかし明らかにふざけた投稿も見られます。市民が自由に投稿できるという事はちゃんと管理しないとサイトの趣旨とはかけ離れた投稿をされてしまうという可能性もあります。

サイトの品質の維持も重要

どんなに素晴らしい仕組みやシステムであってもいたずらに使われてしまっていてはイメージが悪くなります。情報を提供しようと思う人も、自治体でシステムを利用と検討しているところも実際の利用に踏み切れないのではないでしょうか?

道路損傷通報システムの今後

このたび豊橋市でLINEの公式アカウントを利用した「とよはし道路通報システム」が始まったことから他の自治体の状況を調べてみました。独自のシステムというところは見かけられずアプリやウェブサービス、LINEの公式アカウントを活用したところがほとんどでした。なかでもLINEの公式アカウントを活用している自治体が多いように見受けられました。

このようなシステムで重要なのは何と言っても使いやすさとアクセスのしやすです。そういった点ではQRコードからフォームにアクセスし必要事項を入力して「送信」という形が最も情報提供されやすいでしょう。LINEの公式アカウントはLINEを使っている人は多いものの「友だち追加」ってなると「どうやるの?」となる人が多いのも事実です。「アプリをインストールして」となればさらにハードルは高くなります。

今後より良い情報提供ツールやサービスが開発されることを期待します。

サイト管理人

自治会長の仕事は少しは減るかしら?

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この記事を書いた人

k2yukiのアバター k2yuki 自治会長・ウェブ屋

当サイトの管理人です。2022年度に組長が回ってくるタイミングで自治会長をやる羽目になりました。500世帯位の自治会で試行錯誤しながら理不尽な要望も聞きながら何とかやっています。そんな僕が自治会長をやって気付いたこと、今後の自治会運営についての考えなどを記事にしています。本業はフリーランスのウェブ屋。1965年製。空いた時間には愛車ヤマハボルトで遊んでいます。

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