自治会・町内会の防災備蓄品

自治会・町内会の防災備蓄品

僕が自治会長に就任したとき以前自治会長をやっていた方から…

昔の自治会長

私が自治会長をやったときに防災用の食糧を10万円ほど購入して集会場に保管してある。毎年継続して購入しようと提案したけど引き継がれていないし、当時購入した食品はそろそろ賞味期限じゃないかと思う。

そう聞かされました。集会場の倉庫を確認してみるとアルファ米、乾パン、水がたくさん保管されていました。賞味期限もあと半年に迫っていました。当時はまだコロナ禍であったため…

サイト管理人

防災訓練で活用しよう!

なんて提案が出来るわけでもなく、組長会議で話し合った結果フードバンクに寄付することにしました。

目次

自治会や町内会で防災用の備蓄をする必要はあるのか?

当自治会がある豊橋市は人口が36万人以上です。豊橋市では市内の各地に防災備蓄倉庫に465,000食(令和5年)保管されています。これが多いのか少ないのか?その判断基準は全く分からないのですが当自治会の近くには防災備蓄倉庫はありません。

自治会の集会場の倉庫には祭りやイベントで活用してきた「かまど」や「はそり」その他非常時に活用できそうな道具は色々と保管されています。しかし肝心の食料については殆ど何も保管されていません。5年前に一度購入したきりの賞味期限が間近に迫ったアルファ米と乾パンしかありません。

サイト管理人

そもそも自治会や町内会で防災用食料品を備蓄しておく必要なあるのだろうか?

という疑問が湧きます。

自治会員1

市の防災備蓄品があるんだからそれでいいでしょ?

こんな意見も耳にします。しかし市の防災担当の方の話では

市の担当者

市の防災備蓄品をすぐに市内各地に配送することは難しいです。市の職員も被災しているでしょうし道路事情もどのようになっているか分かりません。防災備蓄品は各ご家庭、自治会や町内会でも準備しておくと安心でしょう。

という事です。災害時用の食料品や水は基本的には各家庭で準備しておくことが大切なのですが自治会や町内会が管理している集会場や公民館も災害時には復旧活動の拠点となる可能性も高いです。そのような場所に災害時用の食糧備蓄をしておくことは必要なことと考えられます。

自治会や町内会で備蓄しておく食料品の例

当自治会の集会場は床面積は30坪です。それほど多くの人を収容できるような建物ではありませんが災害復旧の拠点として活用したり炊き出しを行うには十分な建物です。自治会に加入している世帯は500世帯、未加入世帯も100世帯程度あります。自治会の予算規模は年間250万円程度です。

そんな自治会で令和4年度は11万円ほどの防災用食品と水を購入しました。令和5年度は物価高騰もあり14万円ほど購入しました。今年度、令和6年度はまだ購入していませんが予算では20万円準備しています。参考までにどのようなものを購入したか紹介します。

水・長期保存水

とよっすい
とよっすい

人が生きていくうえで最も大切なものが安心して飲める水です。一般的に販売されているミネラルウォーターは賞味期限は1~2年程度です。しかし防災用の水は賞味期限が5年と長いものが多いのでそのような水を選びました。豊橋市では「とよっすい」という地元の水の長期保存水が上下水道局で販売されているのでそちらを購入しました。ペットボトルではなくアルミ缶490ml24本入りを10ケース購入しました。

なぜ490ml?

一般的にこのサイズのミネラルウォーターは500mlであることが多いと思うのですがどうして490mlなのでしょうか?実は水を充てんしたときには500mlの水が入っているのですがいくら密閉されている容器とはいえ5年もの長期間にわたって保管しているとわずかずつでも水は蒸発していき500mlより少し少なくなってしまうことがあるらしいのです。容器に500mlと記載していながら500mlに満たないのは法律違反となってしまうため敢えて490mlと記載しているようです。

アルファ米

尾西食品のアルファ米

アルファ米とは炊いたご飯を急速乾燥したもので水やお湯を加えるだけで普通のご飯と変わらない状態に戻すことが出来るお米です。軽くて長期保存が可能なため、古くは軍事食料として、その後登山用の食料、そして防災備蓄食品として広く活用されています。現在では白米だけでなく様々な味付けの商品もあります。

パン

非常時とはいえご飯ばかりではなくパンを食べたくなることもあるのかと思い、長期保存可能なパンも購入しました。かつては「乾パン」という硬くて「これがパン?」というようなものでしたが、こちらの長期保存パンはしっとり、もちもち食感です。

災害時のために食料品を準備したからいいというものでもない

もちろんこれらの防災用の食品を購入したから安心というものでもないと思います。当校区の自治会にも自主防災組織なるものがありますが、基本的に役員や委員の当て職となっており特別な訓練や研修などを受けているわけでもありません。おそらく実際の災害時には大して役に立たないと想像しています。

総務省のウェブサイトには平成29年度の数字として自主防災組織は組織数で16万団体以上、4300万人以上の人員で組織されているとしています。自主防災組織がどんな組織化と言えば…

  • 地域住民が「自分たちの地域は自分たちで守る」という意識に基づき自主的に結成し、自発的な防災活動を行っている組織
  • 主に町内会・自治会等の規模で、地域に住んでいる住民により、設置・運営
  • 大規模災害時に行政機関による公助が困難な場合、自助・共助の機能を発揮

と、説明していますが現実とはかけ離れている気がします。当校区自治会でも防災訓練を計画しても役員や組長などが仕方なく参加しているような状態に見えます。今年度の自治会長は消防関係のお仕事をされている方ですので防災についての意識が高くまた知識も豊富なため新たな方向性を出してくれるかもしれません。

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この記事を書いた人

k2yukiのアバター k2yuki 自治会長・ウェブ屋

当サイトの管理人です。2022年度に組長が回ってくるタイミングで自治会長をやる羽目になりました。500世帯位の自治会で試行錯誤しながら理不尽な要望も聞きながら何とかやっています。そんな僕が自治会長をやって気付いたこと、今後の自治会運営についての考えなどを記事にしています。本業はフリーランスのウェブ屋。1965年製。空いた時間には愛車ヤマハボルトで遊んでいます。

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