自治会、町内会役員の活動費、報酬について

年度末が近づいてきました。自治会や町内会の活動も節目の時期ですね。僕が会長を務める自治会では来年度令和6年度の自治会体制も決まりホッとしているところです。2年間の自治会長、右も左もわからず引き受けましたが何とかなるものです。さて昨年度僕が自治会長になって最初に取り上げた問題が、自治会役員の活動費、報酬についてです。

自治会役員、町内会役員の活動費、報酬支払の根拠

話は十数年前にさかのぼります。前回、自治会組長が回ってきた年のことです。その年は僕は「広報」の役割だったのですが、年度の最期に役員、組長に年間の活動費、報酬を支払うという3月の最期の組長会の時に唐突に当時の自治会長が…

と言い出しました。その結果、役員と組長の報酬は以下のようになりました。ちなみに当自治会は会員500世帯、予算規模は年間100万円の校区自治会への納付金を除けば250万円ほどです。そんな自治会においての活動費、報酬です。周りの自治会と比べても大体似たようなものかと思います。総額で40万円近くになります。

自治会長	68,000円
副自治会長	25,000円
会計	27,000円
書記	25,000円
広報	25,000円
ブロック長	15,000円
組長	4,000円

この金額が妥当かどうかは別として、問題はこの金額を支払う根拠がどこにもないことです。当時の自治会長が年度最後の組長会、しかも支払うときになって唐突に言い出しただけなのです。その年度、僕ははじめて自治会の組長をやったので「いいかげんだなぁ」と思いつつも…

と、「広報」の活動費、報酬をありがたくいただいてその年度の組長、広報役を終えました。

自治会、町内会役員、組長の活動費、報酬についてどこにも記載がない

そして昨年度、自治会長を引き受けたときに渡された過去数年のデータや規約を確認してみると自治会の役員報酬、組長さんの活動費についての記載がどこにもないのです。唯一そのことについて書かれているのは決算報告の総務費の中に「役員報酬・活動費」として40万円くらいが載っているのみです。支払いの内訳は会計のみが把握している台帳に載っているだけです。実際ほとんどの自治会員が自治会役員がいくらの報酬、活動費をもらっているのか知りません。知らないから逆に

なんて思っている人もいます。僕が会長を務める自治会では役員が自治会費を使って飲み食いしたりすることは一切ありませんし、組長会に茶菓を配ることすらありません。一部「お祭りのお金の使い方」に問題がありましたがそこも完全に分離し宗教行事と自治会行事を分けて自治会費を使っています。

自治会役員、組長の報酬、活動費の妥当性について

そこで月に一回開催されている組長会で過去数年に支払われている役員、組長の報酬について「知っているか？」「金額は妥当か？」について話し合いを行いました。その話し合いの結果はほとんどの方が…

というような意見でした。そこで自治会役員や組長の報酬、活動費の金額については据え置きでただし自治会規約にその金額についても記載し自治会員全員に周知させることにしました。

自治会、町内会役員、組長の活動費の金額の根拠

自治会や町内会の仕事には市町村など行政から依頼される仕事を請け負っている部分があります。その最たるものが「広報の配布」ではないでしょうか？その他にも防犯灯の管理、街頭消火器の管理、ゴミステーションの管理、様々な行政からの資料の回覧など細かい部分を上げていけばキリがありません。これらの活動についての報酬という位置付けで「補助金」が支給されます。

私が会長を務める自治会においても「コミュニティ活動補助金」「防犯灯補助金」「街頭消火器補助金」などの補助金が支給されます。そのうち「コミュニティ活動補助金」の範囲内で役員や組長に報酬、活動費を支払うというのが妥当ではないかという考えで金額を設定しています。「コミュニティ活動補助金」は年間で49万円ほど支給されます。そして役員、組長の報酬、活動費として約40万円を支払っているのでそれでいいかな？という組長会での判断となりました。

自治会・町内会の役員報酬の相場は？

自治会や町内会の役員の報酬、特に会長の報酬はいったいどれ位が相場なのでしょうか？ひとことで自治会長とか町内会長と言ってもその自治会によって様々なのですが、これは実際に自治会長をやってみて他の自治会長とその仕事内容や負担料などを比較してみないとその相場がどうなのかとなかなか判断しにくいものです。ただ、近年では自治会や町内会の会長の報酬、手当について自治体単位で調査して公開しているところもあります。いくつか事例を挙げてみましょう。

佐世保市の事例

町内会長の1年間の手当は「5万円未満」が48.5％、続いて「5～10万円未満」が23.2％、「10～15万円未満」が14.5％、「15万円以上」8.0％となっています。

生駒市の事例

自治会長の手当は「3万円未満」が10％、「3万円以上5万円未満」が15％、「5万円以上10万円未満」が26％、「10万円以上15万円未満」が42％となっています。

福岡市の事例

自治会長の年間の手当は「3～5万円未満」が5.7％、「5～7％未満」23.0％、「7～10万円未満」6.6％、「10～15万円未満」34.4％、「15万円以上」16.4％となっています。この他、活動費（交通費や通信費）などが平均して5.2万円支給されています。

自治会長、町内会長の報酬、手当については地域性もあり一概に高いとか安いとかは言えません。実際に未だに無報酬の地域も結構あります。ただ、僕が会長を務める自治会では68,000円ですが仕事内容から見れば安いです。祭りのときには1万円のご祝儀×2、ビール、日本酒の奉納など持ち出しも多いものです。

自治会、町内会役員、組長の活動費、報酬の支払い

年度も終わりに近づき会計さんは決算という大切な仕事を行う前に自治会役員、組長の活動費を準備するという割と面倒な仕事が控えています。会費を集めるときほどではありませんが当自治会では役員、組長は全部で50名近くになります。それぞれの役職に合わせて現金を用意し、封筒に役職や氏名を書いて準備する必要があります。そこで少しでも作業が楽になるようにエクセルで作成した自治会役員、組長名簿と活動費の金額を入力すると組長会で活動費を渡したときに領収のサインをもらうための表と封筒に貼るラベルが作成できるフォーマットを作成しました。もしかすると活用できる方がいるかもしれないのでダウンロードできるようにしています。