電子回覧板の作成方法

電子回覧板の作成方法

近年、自治会や町内会のデジタル化をサポートしてくれる自治会運営アプリがいくつか公開されています。これらのアプリの中で多くの自治会や町内会で導入してみたいという機能に「デジタル回覧板」があります。回覧板は多くの自治会で活用されています。月に1回とか2回など班や組ごとに回しているケースがほとんどでしょう。

昭和のように共働きの世帯が少なかったり3世代同居の家が多い時代には回覧板というのはとても有効な情報伝達手段であったと思います。しかし令和の現代では多くが共働きだったり単身世帯だったりします。回覧板がうまく回らなかったりそもそも自治会にも加入していない世帯も増加しています。

今回はそんな現代の自治会、町内会における回覧板そして現在あちらこちらの自治会や町内会で導入を検討されているであろうデジタル回覧板、電子回覧板について考えてみます。

目次

回覧板の役割

回覧板の活用は自治会や町内会によって多少の違いはあると思いますが多くの自治会や町内会で回覧板の仕組みは活用されているでしょう。僕が会長を務める自治会でも回覧板は活用しています。基本的に毎月1回です。その他お祭りの時期や年度末で急に工事が始まったりするときにイレギュラーに回覧することが年に3回程度あるくらいです。

回覧する内容は自治会からのお知らせ、自治会内のサークルや団体のお知らせ、自治会内の市民館やデイサービスなどからのお知らせ、市や校区、学校からのお知らせ、自治会内で行われる道路工事などのお知らせです。昭和のころはこのような情報を確実に自治会内の住民に伝えるには回覧板は大変有用でした。また現在でも回覧板は一定程度有効な手段ではあることに異論はないでしょう。

回覧板のメリット

それではまず回覧板のメリットについてまとめてみます。

情報が確実に伝わる

回覧板のメリットのいちばんは何と言っても情報が確実に伝わるという事です。もちろん人によってはろくに中身も見ないで回してしまうという方もいるかもしれません。しかしチラシを配布するよりも印刷部数は少なくて済みますしチラシよりは内容を見てもらえる可能性は高いです。

地域のコミュニケーションに役立つ

近年は高齢者だけの世帯や単身世帯も増え学校や幼稚園を通じた地域の関りと無縁の方も増えてきました。そのような世帯にとっては自治会や町内会からの情報は地域の情報を得るための唯一の方法と言えます。回覧板によって地域の中でのコミュニケーション、情報交換の機会に繋げることも出来ますし高齢世帯の心配や異変にもいち早く気付くことが出来ます。

回覧板のデメリット

面倒臭い

回覧板を回すのはやはり面倒臭いものです。自治会や町内会によっては直接対面での受け渡しを定めているところもあり相手が不在であれば出直す必要があります。そもそも回覧板はポストに入らないようなサイズであることも多いので天気が悪い日など色々と気を使います。

回り終わるまで時間がかかる

回覧板は基本的に一軒一軒順番に回っていくものです。次の家に回すまでに1日かかるとして15世帯を回そうとすれば2週間かかってしまいます。月1回の回覧ですと回覧する資料の準備も前もってする必要があります。あまりギリギリですと行事が終わってから行事の案内の回覧板が回ってくるなんてことにもなりかねません。

ご近所づきあいが煩わしい

回覧板を直接手渡ししているような自治会や町内会の会員の中にはこれが煩わしいと感じる方は少なくありません。ほとんどの人が加入しているので仕方なく自治会に加入しているという方にその傾向は強いでしょう。ただ、ご近所づきあいを煩わしく感じる人が増えているのは全国的な傾向と思います。

旧来の回覧板を見直そう!

コロナ禍で様々な自治会、町内会活動が制限されてきましたが、様々な行事などを行わないことが当たり前となりつつあります。そんな中で回覧板の重要性もですが自治会や町内会そのものの必要性も問われています。自治会長をやってみて自治会や町内会が不要とは思いませんが古い昭和の体制や考え方では今後上手くいかないと思います。新たな回覧板のあり方を考えていく必要がありそうです。

電子回覧板・デジタル回覧板の導入

冒頭にも書いたように、近年では自治会や町内会運営をサポートしてくれるアプリが開発されています。それらのアプリの機能で「電子回覧板」があります。回覧版とは言っても回覧するのではなく管理者が一斉配信する形のものですのでどちらかというとメールであれば「メルマガ」アプリであれば「通知」とか「配信」と言ったものとなります。回覧するわけではないですが便宜的に「電子回覧板」とか「デジタル回覧板」という言い方をするのでしょう。

さて、その電子回覧板ですが自治会運営アプリを活用して行うほか「メルマガ」サービスを活用したりLINEの提供しているサービスを活用したり、その他のSNSを利用してまたはウェブサイトを立ち上げて回覧板を掲載していたりします。どのサービスを活用して電子回覧板を配信するかは自治会、町内会の規模や予算、そして最も大切なのは役員の方が運用できるか?会員の方が閲覧できるか?という事です。

電子回覧板のファイル形式

自治会運営アプリで電子回覧板の配信は出来るのですがその回覧板はどうやって作ればいいのでしょうか?またファイル形式はなにが良いでしょう?

ファイル形式はJPEGで

電子回覧板に限らず書類をデータで送付するときにどんなファイル形式で送りますか?メールで仕事の書類をやり取りする場合にワードやエクセルのファイルそのままで送ることもあるでしょうし、よくあるのはPDFに変換して送ることでしょうか。PDFはパソコンやタブレット、スマホでも閲覧可能なファイル形式で様々な所で利用されているファイル形式です。もうひとつはJPEG形式です。JPEGは一般的には写真などの画像ファイルに利用されているファイル形式ですが文書をスマホなどで撮影したときにはJPEGで保存されます。

回覧板を配信するときは大抵ひとつの文書だけではありません。市役所からの文書、工事業者からの案内文、自治会内の団体からのお知らせなどなど。それらの文書がPDFだったりJPEGだったりするとその都度スマホのアプリが起動するため慣れていない高齢者は戸惑う可能性が高いです。それらの文書がすべてPDFで用意できるのであればPDFで配信してもよいと思います。しかし回覧物を書面でもらった場合、スマホで写真を撮って電子回覧板として利用すると思います。その時のファイル形式はJPEGとなるのが一般的です。それを踏まえるとJPEGで統一する方が導入しやすいかもしれません。

スキャナー機能付きプリンターがあればPDFもOK

もし、スキャナーまたはスキャナー機能付きのプリンターがあれば文書で配布された回覧物もスキャンしてPDFで保存することで回覧物をPDFで統一することが出来ます。PDFで回覧するとWi-Fi接続しているプリンターがあるようなご家庭ですと回覧物を容易に印刷できるためとても便利です。申込書のようなものですとPCやアプリから編集できるので見やすい文字で提出できます。

電子回覧板の作り方

回覧する書類を作成する方法です。JPEGで作成する場合とPDFで作成する場合について簡単に解説します。

JPEGファイルで作成する

ワード文書をJPEGの画像ファイルに変換する

ワード文書を画像ファイルに変換して電子回覧板で活用するにはオンラインのファイル変換サービスが便利です。無料で利用できるのでおススメです。
https://convertio.co/ja/doc-jpeg/

紙の文書をJPEGの画像ファイルにする(1)

紙の文書をJPEGの画像ファイルで作成するにはスキャナーやスキャナー機能付きプリンターを利用することをおススメします。

紙の文書をJPEGの画像ファイルにする(2)

スキャナーやスキャナー機能付きプリンターを持っていない場合はスマホで写真を撮ってJPEGデータとして利用します。ただし写真ですと影が映ったり斜めになったりしてしまいます。そうならないように書類撮影用のアプリを活用すると良いでしょう。iPhoneの場合は標準機能の「メモ」アプリを利用すると簡単です。

PDFファイルで作成する

ワード文書をPDFファイルに変換する

ワード文書をPDFに変換するのはワードで簡単に出来ます。ファイルをエクスポートのメニューからPDF/XPSドキュメントの作成に進んで作成可能です。
https://www.dospara.co.jp/5info/cts_str_pcuse_word-pdf.html

紙の文書をPDFファイルにする(1)

紙の文書をPDFファイルで作成するにはスキャナーやスキャナー機能付きプリンターを利用することをおススメします。

紙の文書をPDFファイルにする(2)

スキャナーやスキャナー機能付きプリンターを持っていない場合はスマホで写真を撮ってPDFファイルとして利用します。通常のカメラ機能ではなく類撮影用のアプリを活用すると良いでしょう。iPhoneの場合は標準機能の「メモ」アプリを利用すると簡単です。

電子回覧板の作成方法のまとめ

回覧板のデジタル化は慣れればどうということは無い作業ですが慣れていない人は最初は戸惑うかもしれません。しっかりマニュアル化して担当者が代わっても対応可能なように準備しておくことが大切です。個人的にはPDFで統一したほうが便利だろうなとは思います。ガラケーではPDFは見えないこともあるかもしれませんがかなりの少数でしょうしガラケーの人は電子回覧板を見ようとは思わないでしょう。

電子回覧板、デジタル回覧板の導入はこれからの自治会、町内会に必要なことでしょう。しかしすべての人が移行できるわけではありません。紙の回覧板を希望する方もいるでしょう。ですからこれまで通りの紙の回覧板と電子回覧板と併用していくことが大切ですね。

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この記事を書いた人

Katsuyuki Susakiのアバター Katsuyuki Susaki 自治会長・ウェブ屋

当サイトの管理人です。2022年度に組長が回ってくるタイミングで自治会長をやる羽目になりました。500世帯位の自治会で試行錯誤しながら理不尽な要望も聞きながら何とかやっています。そんな僕が自治会長をやって気付いたこと、今後の自治会運営についての考えなどを記事にしています。本業はフリーランスのウェブ屋。1965年製。空いた時間には愛車ヤマハボルトで遊んでいます。

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