自治会でLINEのオープンチャットを活用してみる

自治会でLINEのオープンチャットを活用してみる

私が自治会長を務める自治会では毎年クリスマスの時期に「サンタのパトロール」という行事があります。私たちの自治会では週に3日、防犯委員が夜の町内をパトロールするという活動を行っています。通常は数人が拍子木を打ちながら1時間程度かけて町内を回りますが子供たちが冬休みに入るタイミングで「サンタのパトロール」というイベントを行います。

「サンタのパトロール」の日はいつもの大人に加えて中学生のボランティアがサンタの衣装を着て子供たちのいる家にお菓子を配りながらパトロールをするのです。その時に小学生や更に小さい子供たちも保護者も出てきて総勢数十人で町内をクリスマスソングを鳴らしながらパトロールします。もはやパトロールではないんですが(笑)。

そのような大掛かりな行事となると雨の日の中止連絡が大変です。これまでは小学校の子ども会の連絡網を活用していたのですが、今年度から子ども会が廃止となってしまいました。私たちの自治会のみ子ども会の組織は残したのですが、名簿や連絡網などは作成しておらず、子ども会の役員の方だけLINEのグループで連絡をとっています。ですから雨の日の中止連絡をどうするかが問題となりました。

目次

デジタル化応援講習に参加

話は少しさかのぼりますが、2023年の9月に市の主催で自治会向けのデジタル化応援講習会に参加しました。2022年度はZOOMの使い方についてでしたが今年度はLINEのオープンチャットについてがテーマでした。現在では自治会長をやっているような比較的高憂いの方でもスマートフォンを使っていてLINEも利用されています。電話代わりに使ったり、LINEのグループ機能を活用して自治会や友人、家族との連絡手段として活用されています。

しかしLINEにはその他にも様々なサービスがあります。そのうちのひとつが「オープンチャット」です。LINEを利用してコミュニケーションするときは相手と「友だち」になっていたりLINEのIDを好感していたりすることがまずは前提となりますが「オープンチャット」は「友だち」になっている必要はありません。

LINEのオープンチャットで情報交換をする場を「トークルーム」と言いますが、オープンチャットの特徴についてまとめてみます。

LINEのオープンチャットの特徴

トークルームごとに自分のプロフィールを設定できる

LINEに登録している名前とオープンチャットのトークルームに参加するときの名前やプロフィール画像は別のものを設定することが可能です。これは匿名で様々なトークルームに参加して情報交換をすることが目的のためと思いますが自治会でオープンチャットを活用する場合には特に意味のあることは無いでしょう。

トークルームへの参加はURLやQRコードから簡単に出来る

オープンチャットのトークルームに参加するにはLINEの友だち登録などは必要ありません。自治会で活用する場合はQRコードを回覧板で回したりすることで自治会の会員の方にトークルームに参加してもらうことが出来ます。

トークルームには5000人まで参加可能

オープンチャットのトークルームには最大で5000人が参加することが出来ます。LINEのグループが500人までであることからすればより多くの自治会員に参加してもらえます。私が自治会長を務める自治会では世帯数が500世帯ですので世帯の中で複数の人が登録しても余裕で対応できます。

このほかにもLINEのオープンチャットの特徴はありますが自治会活動に利用することを前提にしているため他のことについては紹介しません。

LINEトーク、グループLINEとの違い

LINEのオープンチャットは「不特定多数の人たちとチャット(コミュニケーション)するための機能」です。オープンチャットの名前の通り開かれた場所でのコミュニケーションとなります。自治会での活用にはあまりオープンではないほうが良い気もします。このあたりは今回サンタのパトロールで利用してみて検証してみたいと思います。

グループLINEの特徴
  • すでにLINEでつながっている友だちをグループに招待して共通の話題でコミュニケーションできる。
  • LINEで使っている名前がそのまま使われるので個人が特定できる。
  • グループの中から個人的に特定の人につながることが出来る。
オープンチャットの特徴
  • 不特定の人とコミュニケーションできる。
  • トークルームごとに自分の名前を設定できるので匿名性が高い。
  • トークルームの他のメンバーに個人的にメッセージを送ったり、LINEでつながることは出来ない。

このようにオープンチャットは気軽に参加できる、匿名性が高いという点がメリットです。しかしながらあくまでもコミュニケーションツールであるため自治会で情報発信をする場合、メンバーが勝手にいろんなコミュニケーションを始めてしまうと収拾がつかなくなる恐れがあります。

オープンチャットへの参加ルールを徹底する必要

LINEのオープンチャットの特徴でも紹介した通り不特定多数の人が匿名性が高い状態で参加できるというのが自治会活動で利用するときにネックになる気がします。デジタル化応援講習でもそのことについて質問しました。答えは「参加のルールを徹底するしかない」という事でした。

基本的に情報発信をするのは管理者のみで他の参加メンバーは返信や情報発信をしないという決め事を周知する必要があります。LINEのオープンチャットでその設定が出来ればいいのですがそれでは「チャット」ではなくなってしまいます。一方的に情報発信をするためのLINEの機能に公式アカウントがありますが無料プランでは月に200通までです。これでは当自治会では話になりません。

そこで今回、LINEのオープンチャットを活用してみることになったのですがあくまでも「サンタのパトロール」のみで利用することし、パトロール終了後はこのオープンチャットは閉鎖することにして利用してみることにしました。LINEのオープンチャットについては良く知らないという方がほとんどですので以下のような回覧を回しました。

サンタのパトロール回覧
「サンタのパトロール」回覧版

回覧板を回して1週間経ちましたが現在のところ15名の参加者がいます。最終的に30人くらいの参加登録があればいいかなと思っています。自治会運営のデジタル化は市の自治連合会でも推奨されています。ただ、多くの自治会では自治会長はじめとする自治会役員が高齢であることからデジタル化のハードルは高いものとなっています。しかし自治会員の多くの現役世代は自治会運営の「古臭さ」「昭和的」に疑問を持っている方も多いです。そしてそれが「自治会に加入したくない」「自治会から脱退したい」という理由の一つになっています。

インターネットで検索すると自治会のデジタル化を進めている自治会は全国各地にあります。私が自治会長を務める自治会においても遅ればせながらデジタル化を進めていこうと考えています。

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この記事を書いた人

k2yukiのアバター k2yuki 自治会長・ウェブ屋

当サイトの管理人です。2022年度に組長が回ってくるタイミングで自治会長をやる羽目になりました。500世帯位の自治会で試行錯誤しながら理不尽な要望も聞きながら何とかやっています。そんな僕が自治会長をやって気付いたこと、今後の自治会運営についての考えなどを記事にしています。本業はフリーランスのウェブ屋。1965年製。空いた時間には愛車ヤマハボルトで遊んでいます。

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