法律と自治会の位置づけ
自治会・町内会は「任意団体」
自治会や町内会は法律上の強制加入団体ではなく、あくまで「任意団体」です。そのため、加入・退会は個人の自由であり、強制することはできません。実際、総務省も公式に「加入・不加入は住民の自由意思に基づく」と明言しています。にもかかわらず、地域によっては「やめられない」「退会には転居が必要」といった誤った慣習が残っていることが、トラブルの温床となっています。
ごみ収集は行政サービス、だが拠点は自治会管理
一方で、ごみ収集そのものは市町村が担う行政サービスです。市の収集車が各家庭を巡回するのではなく、地域ごとに設置された「ごみステーション」に住民が出したものを回収する仕組みになっています。このステーションの設置・管理を担っているのが多くの場合自治会であり、住民の協力と費用で維持されています。ここに「行政サービスの一部を自治会が支えている」というねじれ構造があります。
私有地の集積所では利用制限が認められやすい
問題はごみステーションが設置されている土地の所有権です。公道や市有地にある場合は行政サービスの一環として誰でも使えるべきですが、実際には私有地を自治会が借り受けて設置しているケースが多いのが実情です。この場合、管理権限を持つ自治会が「利用者を限定する」ことに法的な正当性が認められやすく、退会者や非加入者が利用を制限される原因となっています。
弁護士の見解:個別の申請が必要な場合も
弁護士の見解では「退会者がごみステーションを使えなくなるケースは十分あり得る」とされています。その場合、住民は自治体に相談し、個人としてごみ集積所を申請・設置するなどの対応が必要になるといいます。つまり、住民税を払っていても必ずしも自治会の集積所を使えるわけではなく、「行政サービスとしてのごみ収集」と「自治会による拠点管理」の間に制度的なずれがあることを理解しておく必要があるのです。