福井地裁の判決内容
年1万5千円の負担を条件に利用権を認める
福井市の40代男性は、町内会を退会したことを理由に、ごみステーションの使用を禁止されました。これに対して男性は「ごみ収集は行政サービスであり、利用を拒否されるのは不当」として訴えを起こしました。福井地裁は最終的に「年1万5千円を支払うことを条件に利用を認める」と判断し、退会者にもごみステーション利用権があると結論づけました。
加入強制につながる町内会費相当額は不適切
判決のポイントのひとつは、「町内会費と同額程度の負担を課すのは、事実上の加入強制にあたる」と指摘した点です。任意加入であるはずの町内会に、費用の形で加入を強要することは適切ではないと司法は判断しました。自治会費と同額の支払いを条件にすることは、退会や非加入の自由を実質的に奪ってしまう可能性があるためです。
公共的利益を受ける以上、費用負担は必要
一方で、裁判所は「町内会活動がもたらす公共的利益」を強調しました。ごみステーションの維持管理には人手も費用もかかり、また防犯灯や道路補修、除雪といった活動も町内会が担っています。判決は「町内会員でなくとも地域の利益を享受している以上、相応の費用負担は避けられない」と認定しました。その上で、町内会の年間活動経費から市の補助金を差し引き、世帯数で割った金額が「1万5千円」という水準であると算定されたのです。