新年度、自治会や町内会の役員や委員決めが大変だったのと同様にPTAの役員、委員を決めるのが大変な時期ですね。多くの小中学校がゴールデンウィーク前後にPTA総会を行うので、それまでに新体制を決定しないといけないと思います。PTA会長はすでに候補者が決まっていると思いますが各クラスごとの委員はこれからというところもあるのではないでしょうか？
僕がはじめてPTAにかかわりを持ったのは長男が小学校に入学したタイミングです。もう20年以上前のことです。クラスの委員長がなかなか決まらないので「いいですよ。やりますよ。」みたいな感じで気軽に受けてしまいました。翌年度は副会長までやらされることになってしまいましたが…ww
当時はまだ「PTA不要論」なんてものはなく、PTAの委員や役員は押し付け合いみたいな…「PTAを退会する」なんて話を耳にすることもありませんでした。「まぁ誰かがやらないとね。仕方ないよね。」みたいなのがPTA活動でした。
インターネット・SNSの普及とともに
2000年代に入ってインターネットが普及し、さらに2010年代に入りSNSを通じて個人の情報発信のハードルが下がったことにより「PTA活動がイヤ」と考える人たちの「PTAのおかしな部分をアピール」する情報発信が活発になりました。発信される情報の内容は大体以下のようなものです。
- PTAは任意の団体だから加入も退会も自由。
- 入学と共に自動的に加入させられるのは違法。
- PTAを退会したら子供に不利益があるのは差別。
はい、全部間違ってはいません。その通りです。しかしPTAの組織は簡単には無くならないし、無くしてしまうと学校運営や様々な行事運営、地域との連携など立ちいかなくなることも多くあるでしょう。このような考え方は自治会や町内会にも当てはまります。自治会や町内会の加入や退会も自由です。だからと言って自治会や町内会を廃止してしまったらどうなるでしょうか？
僕自身、PTA会長を2年、自治会長を2年務めてきてどちらも「組織のおかしさ」について色々と感じたことはあります。どちらの組織も基本的に「前年度踏襲」なんです。よく分からないままに「研修会」を企画してみたり「バス旅行」とか「バレーボール大会」とか…疑問符の付く行事を挙げればきりがありません。
PTAにしろ自治会や町内会にしろ時代にそぐわない行事を継続することはナンセンスですし、担当する委員や役員にとってはただただ負担に感じるだけです。しかしだからと言って一足飛びに「PTA不要論」「自治会不要論」「町内会不要論」に結びつけるのは乱暴ではないかと思うのです。
無くなったら困りませんか？
PTAについてググってみると
インターネットでPTAに関する情報をググってみると「PTA」のキーワードを入力すると検索候補に「PTA 入らない」「PTA 廃止」「PTA 断り方」「PTA 任意」なんていう候補が上がってきます。以下に皆さんがPTAの役員や委員から逃れたいのかが分かります。このようなキーワードでヒットするサイトをいくつか挙げてみましょう。
- PTAって入らなくても平気？ 非会員でも不利益はない？ 新1 …
-
PTAに入らないことを伝える相手は、校長が妥当でしょう。保護者も教職員も忙しい時期なので、手紙（文書）がおすすめです。 加入しない団体（PTA）に連絡 …
- PTAに入らない人もいる？入らないとどうなる？現役子育て …
-
PTAに入らないデメリット · 非加入までの手続きが面倒(入学と同時に全員が加入する仕組みになっている場合など) · ほかの保護者や教員と親しくなったり、 …
- PTA入る？入らない？”任意加入”について弁護士に聞いてみ …
-
PTAはあくまで任意団体であり、加入義務などを明示した法律などはありません。その意味で、任意加入であると言えます。
- 増える退会者…PTAは本来“入退会自由” 独自アンケートで判明 …
-
「PTAに入らない人」が増えてきている。誰もが入って係を担当しなければといったイメージが強いPTAだが、変化のときを迎えているようだ。
- 「PTAって入らなくていい？」小学校PTA役員が教えるPTAの …
-
PTAは、加入するか、加入しないか、個人が判断して選択できる任意団体です。入りたくない人を加入させることはできません。 地域によっては、まだ適正化が …
ニュースサイトやメディアのサイトの記事にも「PTA不要論」を支持しているかのようなコンテンツを掲載しています。メディアサイトは「読んでもらってナンボ」なのでこのような論調になりがちなのかもせれませんが、このようなPTA不要論を主張する方が増えてきた理由にはこのようなインターネットの情報が原因にあると言っても過言ではないでしょう。
先にも書きましたが僕はPTAのすべてを肯定しているわけではありません。しかし、PTAの組織そのものを否定するような考え方はやはり納得は出来ないのです。「PTA不要論」を主張する方のほとんどがPTA役員未経験の方であることもそう考える理由のひとつです。
PTAは本来、子供たちの学校生活を充実させるために保護者と教員が協力して活動するものです。それがよく分からない研修会を開いたり、バス旅行行ったり、上部組織へのお金の流れがあったり疑問が湧くのも実際にPTA活動をしてみないとわからないことですし、おかしいと思ったら改善していけばいいことです。
インターネットやSNSの情報をもとに「PTAは不要だ！」と声を上げても説得力に欠けるんです。
PTA活動は地域差が大きい
PTA活動は自治会や町内会の活動と同じで地域差が大きいです。2年間PTA会長を務め、他校のPTA会長さんと情報交換を行うと各校でPTAの行事、役員や委員の決め方、教職員との関りあい方など同じ市内でも結構違うものです。これが他市、他県であったらさらに違うのでしょう。
例えば僕がPTA会長を務めた小学校では地域自治会との関りも大きかったです。
PTAのお金の問題
PTAの会費はどのようなことに使われているかも学校によって大きく異なります。当校では資源回収他、自治会の会計からもPTAにお金が入るような仕組みになっていて体育館の折り畳みイスなどを購入している年度もありました。
サイト管理人こんなの市の予算でやるべきことじゃね？
と思われるようなこともPTAを窓口に自治会からのお金を使っている部分がありました。地方なら地域のお祭りと学校行事も一体となっていたりして自治会や町内会とPTA、学校の関りももっと密ではないかと思います。当言った地域で「PTA不要」と言っても相手にされないでしょう。
SNSやインターネットの情報を鵜呑みにしない
「PTA不要論」を主張される方の多くは実際にPTA活動に関わることも無く、ただPTA役員や委員をやることがイヤでインターネットで検索し「PTA役員や委員から逃れるための情報」を得て声をあげられています。実際にPTA役員を経験し、その組織のおかしさについて考え、その上で「PTA不要論」を主張されている方はほとんどいません。
PTAの組織や活動のおかしい点は僕もわかっています。自動的に加入したりするのもおかしいですし、役員や委員を押し付けられるのもおかしいです。でも「不要」ではありません。インターネットやメディアが面白おかしく「PTAは違法」とか「PTA廃止」伝えますが、あまりにも無責任です。自分の子供が通っている学校のPTAの組織が無くなり…例えば登校見守り活動が無くなったり、運動会の迷惑駐車が放置されるので平日開催や運動会や学芸会そのものが開催されなくなったり、入学式や卒業式の式典も児童や生徒のみ。なんてことになるかもしれません。これらの行事運営はPTAの組織なしには成り立ちません。
PTA役員や委員をやってみると…
僕は2年のPTA会長を含め7年間PTA役員を務めました。一度関わると抜けられないという部分もありますが、やってみれば割と楽しいものです。学校へ行く機会が増えて他の保護者の方や先生方と知り合いに慣れるというのはPTA役員をやらないとかなわないことです。わが子の同級生とも知り合いになれるし「○○ちゃんのお父さん」と呼ばれたり道で会ったときに話しかけても不審者には思われなかったり…
そして、実際にPTA役員をやった人たちはみんな
PTA会員役員やってよかっわ！
なんていう感想を持ったりします。僕もそう思います。
インターネットやSNSの情報をもとにPTA活動についてネガティブな考えばかりを持たず「関わってみよう」という気持ちを持つことが大切だと思います。楽しい学校生活をお子さんと一緒に！
