自治会・町内会活動の何をデジタル化すればいいの?

スマホの使い方を教えてもらう高齢者

コロナ禍を経て世の中は何かと「デジタル化」という事が言われています。そもそもデジタル化というのは何なんでしょうか?「デジタル化」という言葉のみが独り歩きする中で自治会の中では高齢者が多いためか敬遠されがちな話題です。現に私が自治会長を務める自治会でも自治会活動をインターネットを活用して簡略化したいような話題をしても嫌がられるだけです。

ただ、40名ほどいる組長さんの中には50代以下の現役世代も3割ぐらいいて特に意見は言わなくても顔は僕の提案に賛意を示しているように見られます。確かに60代後半以上の方が多い自治会の中でデジタル化云々の話をしてもなかなかついてくることは難しいかもしれません。しかしながら多くの高齢者もスマホを利用している昨今、自治会のデジタル化の仕組みを作ることは難しくても利用するだけであればそれほど難しくないと思います。

目次

自治会・町内会活動の現状

自治会長になった時に前任の自治会長から引き継いだものにUSBメモリーがあります。デジタル化が進んでいないとはいえ流石に組長会の資料や会計の資料、回覧物の資料などはワードやエクセルなどで作成されています。引き継いだUSBメモリーの中には過去数年分のデータが入っていました。

過去のデータがあるのはいいのですが何しろコロナ禍で2年間行事が何も行われていません。コロナ禍前は毎月開催されていた組長会も隔月開催だったり、そもそも行事がないので話し合われるテーマもありません。そこで前年分だけではなくコロナ禍前のデータも参考にするわけですが、フォルダ名やファイル名の付け方に一貫性がなく、目的のデータを探すのに苦労しました。

同じ内容であろう資料もワードだったりエクセルだったり、オープンオフィスだったりバラバラです。自治会や町内会を運営していく中でこれらの資料作りというのは割と大変です。ある程度統一したフォーマットを作っておいて毎年度、名前や日付を変更していくだけである程度資料や文書が出来るようにしておくと便利です。フォルダの校正やファイル名も毎年度同じ形式に統一しておくことも必要でしょう。

引き継いだUSBメモリーの中身
USBメモリーの中の過去の自治会資料

自治会・町内会の連絡網の課題

2003年5月に成立した個人情報の保護に関する法律により自治会や町内会においても会員名簿の取扱について色々と配慮が必要となりました。法律の施行当時は「過剰反応では?」と思う向きもありましたが20年以上が経過して現在ではその不便さと共にすっかり定着しています。

そして、かつては自治会内で作成されていた自治会名簿も無くなり、当自治会の場合、連絡網も各組でのみ共有しているのが現状です。その連絡方法は電話だったりLINEだったりSMSだったりとバラバラに行われています。最近ではグループLINEを活用しているケースも多いのですが組内に高齢者の方がいるとそこだけうまくいかなかったりします。

LINEのグループを活用した連絡網はとても便利なのですが気を付けないとトラブルの原因ともなります。LINEの場合は本名で登録している人は少ないですね。誰が投稿しているかわからないという事もあり、誤解が生じることもあるかもしれません。特に個人的な意見をうっかりグループラインに投稿してしまって周りの人を不快にさせてしまうことも考えられます。

グループLINEを連絡網に活用するときの注意点
  • ニックネームでは誰かわからないので投稿するときは本名も記載して投稿しよう。
  • 連絡網としての活用の場合、組長からの一方通行の発信にすると決めておくとトラブルにならない。
  • 組長以外の人が投稿する場合な内容に注意が必要。

なかなか回らない回覧板

当自治会では10~15世帯程度でひとつの組を組織しています。それぞれの組で回覧板を回しているのですが組によっては思うように回ってないケースもあります。なかなか回らない組では回覧板を2系統にしたりして工夫はしていますが時には行事の日程に間に合っていないこともあるようで難しいところです。

特に年度末に予算の関係か突然始まる道路工事などは通行止めや片側規制の情報もあるので工事前に確実に回覧したいのですが工事業者からの回覧の依頼もギリギリであったりするのでもっと時代に即した回覧板の形を模索していく必要がありそうです。

回覧板のデジタル化についての課題
  • デジタル回覧板を確実に住民に届ける方法を考える必要がある。
  • デジタル回覧板のファイル形式は?
  • デジタル回覧板を閲覧できない住民に配慮しよう。
  • 外部からの依頼の紙の資料の回覧物をデジタル化する手法をどうするか?

自治会費・町内会費・寄付・協賛金などの集金業務の負担

当自治会での組長さんの集金業務は4月に自治会費前期、8月に秋まつり協賛金、9月に自治会費後期、11月歳末助け合いがあります。回数もさながら金額も割と大きくなるので気持ちの上でも負担にもなります。先日、お祭りの協賛金等を一時的に預りましたが80万円くらいの現金を自宅で預かるというのはドキドキします。

これらの集金業務を様々な決済サービスを活用することで組長さんの負担を軽減できるという可能性はあります。しかし今度は逆に会計の事務処理が大きくなるという事になると思いますので頭の痛いところですね。

行事やイベントの参加者の取りまとめ

自治会内のイベントや行事で参加者を募るというケースもあります。現状では回覧板でイベントや行事の告知を行い参加希望の際に名前を記入してもらうというような形が一般的です。敬老の日の記念品の対象者の調査やお祭りの子供用お菓子の対象者の調査も同様の形をとっています。

自治会・町内会活動のデジタル化

自治会・町内会活動のデジタル化で真っ先に取り掛かろうと考えられるのは回覧板と連絡網です。連絡網はメルマガサービスを活用することで上手くいくと思いますが回覧板はテキストデータではないので少し難しい気もします。また、LINEのオープンチャットを活用している自治会の事例もあるようですが投稿できるのは自治会の担当者のみというルールを決めておかないと収拾がつかなくなる可能性もあります。

自治会のホームページ

自治会や町内会で会員に情報発信を行うのにもっとも効果的なのは公式サイトを運営することです。自治会のイベントや行事情報はもちろん、回覧板を掲載したり、行事の参加者を募るフォームを作ったり可能性は無限大です。ただ構築のハードルが高いのがネックです。

自治会運営アプリ

インターネットで検索すると様々な「自治会運営アプリ」を提供している会社がヒットします。それぞれのサービスは魅力的で便利そうなものが多いのですが問題は費用です。僕自身導入を考えて見積もりをとったりしましたが会員世帯が500世帯程度では1世帯当たりの負担が大きすぎます。このようなサービスは自治体や自治会連合会などが主体となって動かないと導入は難しいでしょう。

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この記事を書いた人

k2yukiのアバター k2yuki 自治会長・ウェブ屋

当サイトの管理人です。2022年度に組長が回ってくるタイミングで自治会長をやる羽目になりました。500世帯位の自治会で試行錯誤しながら理不尽な要望も聞きながら何とかやっています。そんな僕が自治会長をやって気付いたこと、今後の自治会運営についての考えなどを記事にしています。本業はフリーランスのウェブ屋。1965年製。空いた時間には愛車ヤマハボルトで遊んでいます。

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