2024年(令和6年)4月1日に自治会員世帯の全世帯に配布した「自治会のデジタル化に関するアンケート」の結果が出ましたのでそのアンケート結果について記事にしてみたいと思います。まず、どのようなアンケートだったか振り返ってみましょう。
自治会・町内会デジタル化に関するアンケート
あまり難しいことを質問しても仕方ないので、質問内容は3項目のみ。「年齢」「インターネット環境」「デジタル化の内容」だけです。あとは自由に記入していただく事にします。アンケート用紙は各世帯に1枚ずつ配布し、そのアンケート用紙にはQRコードも貼ってGoogle Formでも回答できるようにしました。
デジタル化に関するアンケートの質問項目
- あなたの年齢は?
- 20歳未満
- 20代
- 30代
- 40代
- 50代
- 60代
- 70代以上
- あなたのインターネット・通信端末は?(複数回答可)
- パソコン
- スマートフォン
- タブレット端末
- ガラケー
- インターネット接続テレビ
- 家庭用ゲーム機
- 自治会の活動でデジタル化してほしい内容は?(複数回答可)
- 回覧板のデジタル化・オンライン化
- ホームページでの情報発信
- LINE・SNSを活用した情報伝達
- 組長会議のオンライン化
- メールマガジンによる情報伝達
- 自治会費のオンライン決済
- デジタル化する必要はない
- 自治会のデジタル化についてご意見をお聞かせください。(自由記入)
とこのような内容のアンケートを配布しました。
自治会・町内会デジタル化に関するアンケートの最終結果
まずアンケートは全部で408名の方に回答していただきました。回答していただいた方の年齢割合を見てみましょう。
自治会・町内会デジタル化に関するアンケート回答者の年齢構成
年齢層 | 回答人数 |
---|---|
20代 | 2 |
30代 | 18 |
40代 | 78 |
50代 | 120 |
60代 | 63 |
70代以上 | 124 |
この質問項目には405名の方が回答しています。回答者の多くは50代以上の中高年の方に集中していることがわかります。将来の自治会や町内会の有り方を考えてくためにも、もう少し若い世代からの意見も聞きたかったところですが、この手のアンケートは毎年行っていって回を重ねることで住民のニーズが集約出来ていくのではないかと思います。
自治会・町内会デジタル化に関するアンケート回答方法
今回のアンケートは組長さんを通じて各世帯にアンケート用紙を一枚ずつ配布するとともにアンケート用紙にGoogle FormへのQRコードを貼り付けてスマホから簡単に回答できるようにもしました。下のグラフは年代別にインターネットでの回答か紙の用紙での回答かを集計したものです。
上のグラフで分かるように50代までは一定数インターネットでの回答をしている方がいますが最もアンケートへの回答が多い70代以上ではインターネットでの回答はほとんどありません。
自宅のインターネット・通信端末は何があるか(複数回答)
20代の回答
30代の回答
40代の回答
50代の回答
60代の回答
70代以上の回答
年代別でこれといった傾向はみられませんが各年代共にスマートフォンの保有率が突出しています。では年代別にそれぞれのインターネット端末の保有割合を見てみましょう。
スマートフォン保有割合
パソコン保有割合
タブレット端末保有割合
ガラケーの保有割合
インターネット接続テレビ保有割合
家庭用ゲーム機保有割合
やはりスマートフォンの保有率は高いですね。ただ70代以上は60%程度と低くなっています。30代40代の方については様々なインターネット接続端末を活用していることがよく分かります。
自治会の活動でデジタル化してほしい内容は?(複数回答可)
20代の回答
30代の回答
40代の回答
50代の回答
60代の回答
70代の回答
年代ごとにデジタル化を希望する項目はばらつきがありますが回覧板のデジタル化やLINEなどのSNSを活用することの要望は一定割合で見られます。60代以上ではデジタル化を必要としないという意見が目立ってきますがこれは当然ともいえるでしょう。スマホをはじめとするデジタル端末を使う知識が無いという事もあるんだろうと思います。
回覧板のデジタル化を希望
ホームページでの情報発信を希望
LINE・SNSの活用を希望
組長会議オンライン化を希望
メールマガジンによる情報発信を希望
自治会費のオンライン決済を希望
自治会のデジタル化は不要
自治会・町内会のデジタル化に関するアンケート結果のまとめ
今回のデジタル化に関するアンケート結果をもとに、以下の通りまとめます。このアンケートは、自治会員のデジタル化に対する意識や希望を把握するために実施されました。回答者の年代別に分けた意見を分析し、デジタル化の必要性や具体的なニーズについて考えてみました。
回覧板のデジタル化・オンライン化の希望
回覧板のデジタル化・オンライン化を希望する人の割合は、各年代で異なります。特に30代から50代にかけての希望者が多く見られました。これらの年代では、スマートフォンやパソコンなどのデジタル機器に慣れていることから、オンライン化による利便性を高く評価する傾向があります。一方、70代以上の高齢者層では、デジタル化の必要性を感じていない人も多く、従来の方法を支持する声が多くあります。
ホームページでの情報発信の希望
ホームページを活用した情報発信を希望する人の割合も、年代によって違いが見られます。40代から60代の層で特に希望が強く、自治会の活動や情報をオンラインで簡単にアクセスできることを望んでいます。この年代は、仕事や家庭の忙しい生活の中で、効率的に情報を得る手段としてホームページを活用したいと思っているのだと思います。
3. LINE・SNSを活用した情報伝達の希望
LINEやSNSを活用した情報伝達を希望する人の割合は、若年層で高くなっています。特に30代から50代では、日常的にSNSを使用しているため、迅速で手軽に情報を受け取れることが大きな利点とされています。しかし、70代以上の年代ではSNSの使用率が低く、デジタルデバイドが見られる結果となっています。
4. 組長会議のオンライン化の希望
組長会議のオンライン化を希望する人の割合は、主に働き盛りの40代から50代で高くなっています。この年代は、仕事や家庭の都合で会議に参加する時間を確保するのが難しいため、オンライン会議の導入によって柔軟な参加が可能になることを期待しています。一方で、70代以上ではオンライン会議の技術的なハードルを感じる人が多く、従来の対面会議を支持する声が多くあります。
5. メールマガジンによる情報伝達の希望
メールマガジンを活用した情報伝達を希望する人の割合は、幅広い年代で見られますが、特に40代から60代で高くなっています。メールによる情報配信は、時間や場所に縛られずに受け取ることができるため、忙しい生活の中で効率的に情報を得る手段として評価されています。
6. 自治会費のオンライン決済の希望
自治会費のオンライン決済を希望する人の割合は、30代から50代で特に高くなっています。この年代は、インターネットバンキングやキャッシュレス決済に慣れており、オンラインでの支払いが手間を省き便利であると考えています。一方で、70代以上の高齢者では、オンライン決済に対する不安や抵抗感が強く、現金や従来の方法での支払いを希望する声が多いです。
7. デジタル化する必要はないと考える人の割合
デジタル化する必要はないと考える人の割合は、年代が上がるほど高くなる傾向が見られます。特に70代以上では、デジタル技術に対する理解や使用頻度が低いため、現行のアナログ方式を支持する意見が多くなっています。デジタル化に対する不安や抵抗感が背景にあると考えられます。
今回のアンケート結果から、自治会活動のデジタル化に対する意識や希望は、年代によって大きく異なることが明らかになりました。若年層から中年層にかけては、デジタル化による利便性を高く評価する傾向が強く、各種活動や情報伝達のオンライン化を希望しています。一方で、高齢者層ではデジタル化に対する抵抗感や技術的なハードルが依然として存在し、従来の方法を支持する意見が多く見られました。
自治会や町内会としては、幅広い年代の意見を尊重しながら、段階的かつ柔軟にデジタル化を進めることが重要です。具体的には、デジタル化に対する教育やサポートを充実させ、高齢者にも利用しやすい環境を整えることが求められます。また、オンライン化の導入により自治会活動の効率化や参加率向上を目指すとともに、全ての会員が安心して利用できるシステムの構築を進めていくことが望まれます。