自治会費では出せない神事の奉納~自治会長の自腹文化を考える

筆者が自治会長を務めていた時の体験談:改善の取り組み

私が自治会長を務めた際、最初に取り組んだのは「祭りに関わる支出の線引き」を明確にすることでした。地域の秋祭りでは、子どもたちに配るお菓子や餅まきの餅が恒例となっていましたが、従来はこれらを自治会費から出すケースもありました。しかし、私は「宗教行事や娯楽性の強いものには自治会費を充てない」という考えを徹底するため、これらを会費から支出しないルールに改めました。子どもたちのお菓子や餅は住民有志や協賛金でまかない、宗教色のある部分と生活に密着した活動を切り分けることで、自治会費の使途を透明にしようと努めたのです。

こうした工夫は、会費の公平性を守るだけでなく、「自治会は宗教行事に直接関与しない」というスタンスを示すことにもつながりました。住民にとっても「どこにお金が使われているのか」が分かりやすくなり、納得感のある形になったと感じています。実際に説明会で「餅やお菓子は有志による提供です」と伝えると、理解を示してくださる方も多くいました。

しかし一方で、どうしても残る慣習がありました。それが「神事の奉納は自治会長名義で行う」という暗黙のルールです。祭りの祝儀や奉納酒は、私も例外ではなく自腹で1万円を納めました。自治会費から出すことはできず、また住民に広く負担を求めると反発を招く可能性もあるため、結局は「会長が自腹で」という形に落ち着いてしまいます。この慣習の壁は厚く、改善の難しさを実感しました。

サイト管理人

私は祭りにおける支出を「自治会費から出さない」方針に改め、透明性を高めました。しかし神事の奉納だけは慣習に縛られ、自腹で対応せざるを得ず、伝統と公平性のはざまで葛藤を抱える結果となりました。

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この記事を書いた人

Katsuyuki Susakiのアバター Katsuyuki Susaki 自治会長・ウェブ屋

当サイトの管理人です。2022年度に組長が回ってくるタイミングで自治会長をやる羽目になりました。500世帯位の自治会で試行錯誤しながら理不尽な要望も聞きながら何とかやっています。そんな僕が自治会長をやって気付いたこと、今後の自治会運営についての考えなどを記事にしています。本業はフリーランスのウェブ屋。1965年製。空いた時間には愛車ヤマハボルトで遊んでいます。