敬老の日に自治会や町内会ができること

敬老の日に自治会が出来ること

敬老の日は高齢者を敬い感謝の気持ちを伝える特別な日で、自治会や町内会においても「敬老会」などの行事を行って集会場や公民会に集まって食事会を開催してきたりしました。しかしコロナ禍を経てその過ごし方も見直す必要が出てきました。従来のような大規模な集まりはリスクが伴うため、より安全で効果的な方法を模索することが求められています。

これからの敬老の日には、小規模で安全なイベントの企画や別の形での敬老のお祝いをするという事が鍵となるでしょう。今回は、自治会や町内会が敬老の日にどのような活動を行うべきか、現在の状況を踏まえた具体的な方法を考えてみます。地域の高齢者が安心して楽しめるアイデアを紹介し、新たな敬老の日のあり方の参考になればと思います。

目次

コロナ前の敬老の日のイベント

当自治会の事例

僕が自治会長を務めたときは、まさにコロナ禍であったため敬老の日の行事と言っても記念品を配布するだけでした。コロナ以前の敬老の日に何を行っていたか、過去の資料を見てみると500世帯の自治会ですが敬老の日の対象者は約200名います。

  • コミュニテイーバスの乗車券(1000円)全員に配布
  • 集会場で演芸&お弁当で懇親会 希望者(約50名)参加

毎年、40万円弱の予算を使って敬老の日のイベントを行ってきました。

僕が自治会長になった年度はコロナ禍真っただ中だったため集会場での懇親会は最初から計画しませんでした。そしてもう一つのコミュニテイーバスの乗車券を配布するという事だけ行うべく準備を進めてたのですが…

サイト管理人

何でバス券なの?

という意疑問が湧きます。当自治会の年間の予算は400万円弱。内100万円は校区自治会に納めるので実質の自治会の予算は300万円。敬老の日にかかる費用は毎年約35万円。加えて75歳以上のみの世帯は自治会費が通常年間6,000円の所5,000円と1,000円安く設定されています。

サイト管理人

なのにバス券とはいえ何故1,000円分もらえるの?

そもそも最近では高齢者でもマイカーで出かけるのが一般的でこの配布したバス券は有効活用されているのかも疑問です。配布したバス券がどれくらい利用されているのかも調査していません。高齢の僕の両親の話だと使わないで捨てちゃう人もいるとか…

そこで僕はバス運営協議会の会長に伝えました。

サイト管理人

ちゃんと活用されていないバス券の配布はやめようと思います。

バス協議会

もう配布する回数券は私が立て替えて購入済みですから。

全くなんてことだと思いましたが、仕方ありません。その年はバス券を配布しましたが翌年はきっぱりやめました。何にしたかは後で紹介します。

敬老の日のイベントや行事は自治会がどこまで行うべきか?

僕が自治会長2年目の年度はコロナが5類に分類され様々な行事が復活しつつありました。校区の自治会においても敬老の日の行事をどうするかという事について話し合われました。僕の率直な感想から言えば

サイト管理人

自治会や町内会で敬老の日の行事を行うことは時代に合っていないのではないか。

と思っています。年間の予算の十数パーセントを使って、会費を一部免除され、組長の役も免除されている方たちに対して行事を行うことは適切なのかどうか?当自治会も今後ますます高齢化が進んでいきます。自治会が負担する敬老の日に関わる費用もこのままでは増加の一途です。

高齢者もそれほど喜んでいない行事

乗らないコミュティバスの乗車券

当自治会の敬老の日の記念品として地域を走るコミュニテイーバスの乗車券1,000円分というのがありますが、多くの人はマイカーで出かけます。もちろんもらったバス乗車券を有効活用されている高齢者もいます。ですからバスの乗車券をもらっても「いらない」という方はそのような方にあげていたりします。それならまだいいのですがゴミ箱へなんて話も聞きます。1,000円分のバス乗車券の代金は自治会の会費から支払われているのに…です。

毎年同じ人しか参加しない懇親会

毎年集会場に市内で演芸活動などをされている方を呼んで公演などを行ってその後、お弁当を食べながら懇親会を行っていました。敬老の日の対象者は200名弱ですが懇親会に参加されるのは50名程度です。

参加しない高齢者

そんなものには参加したくないよ。

毎年出席される方の顔触れは同じだそうで一部の人だけが恩恵を受けているというように見られても仕方ありません。敬老の日の対象者が乗りもしないバスの乗車券をもらい、出席したくもない公演会、懇親会の案内をもらい…そういう方が相当の割合でいるのです。

しつこいですが自治会費の年間予算の十数パーセントの費用をかけてです。

自治会や町内会の負担が少なく高齢の方が喜ぶ行事を

僕が自治会長を務めた自治会の事例について書いてきましたが、ここで他の自治会や町内会で見聞きした事例について触れつつ、これからの敬老の日の行事について自治会や町内会の負担が少なく、かつ高齢者に喜んでもらえるような行事について考えてみましょう。敬老の日は高齢者を敬い、感謝の気持ちを伝える大切な日です。特にコロナ禍を経た現在、従来の大規模な集まりや直接的な交流が難しくなり、新たな形での行事開催が求められています。

まず、手作りの贈り物やメッセージカードの配布という方法があります。地域の子どもたちやボランティアと協力し、手作りの品を高齢者に届けることで、心温まる交流を実現できます。特に、個別に心のこもったメッセージを添えることで、受け取った方々の喜びもひとしおです。かつては小学校の行事と絡めながら行っていた時代もあり、このような交流活動は直接会わずとも感謝の気持ちを伝えることができます。

次に、小規模での安全なイベントも計画してみる価値があります。例えば、屋外でのウォーキングイベントや、健康体操のクラスなど、感染リスクを最小限に抑えた活動を企画することができます。参加者同士が適度な距離を保ちながら楽しめるアクティビティは、高齢者の健康維持にもつながります。近くの動植物園などに出かけて活動することも楽しいと思います。

また、地域の特産品や手作りの料理を配布するイベントも喜ばれるでしょう。地元の食材を使った料理やお菓子を高齢者に届けることで、食を通じた楽しみを提供できます。これには、料理のレシピを一緒に配布することで、家庭で楽しめる工夫も加えられます。弁当を注文するとどうしても費用が高くなってしまいますが手作りであれば自治会や町内会の金銭的な負担は大きく削減できます。

さらに、高齢者の趣味や興味に合わせた小グループの活動もおすすめです。例えば、ガーデニングのワークショップや手芸教室など、少人数で行える趣味の時間を提供することで、高齢者同士の交流の場を作り出せます。自治会、町内会内にあるお店や事業所の協力を得つつ何らかのワークショップ、講習会が出来ると地域のお店にとってもプラスになるのではないでしょうか?

最後に、自治会や町内会が一丸となり、地域の高齢者を支えるための活動を続けることが重要です。これからの敬老の日には、無理のない範囲で、高齢者が安心して楽しめる工夫を凝らしたイベントを提案し続けることで、地域全体が一体となった温かいコミュニティを築くことができるでしょう。

自治会や町内会の負担が少なく高齢の方が喜ぶプレゼント

自治会や町内会の負担が少なく、高齢の方が喜ぶプレゼントについて考えてみましょう。

市販のお菓子詰め合わせ

地元のスーパーやお菓子屋さんで購入できる市販のお菓子の詰め合わせは、高齢者にとって嬉しい贈り物です。個包装のお菓子やビスケット、チョコレートなどを詰めた袋や箱を用意すれば、手軽に渡すことができます。特に、地元の特産品を使ったお菓子や、季節限定の味わいが楽しめるものを選ぶと、受け取る側の喜びもひとしおです。これにより、地域の味覚を楽しんでもらいながら、感謝の気持ちを伝えることができます。さらに、詰め合わせには高齢者の好みに合わせたバリエーションを持たせることで、より一層喜ばれるプレゼントとなるでしょう。当自治会では昨年度はもち吉の煎餅のセットにしました。自治会の負担もこれまでより大幅に削減できました。

洗剤セット

ドラッグストアやスーパーで購入できる洗剤セットも喜ばれるプレゼントです。例えば、衣類用洗剤、柔軟剤、食器用洗剤などの日常的に使うアイテムをセットにして渡すことで、高齢者の生活をサポートできます。これらのアイテムは毎日の家事に必要なものであり、特に高品質な洗剤や香りの良い柔軟剤は、使用するたびに心地よさを感じてもらえます。また、環境に優しいエコ洗剤や肌に優しい無添加洗剤などを選ぶことで、健康面にも配慮したプレゼントとなります。実用的で役立つ洗剤セットは、高齢者の生活の質を向上させる一助となるでしょう。ただ洗剤については香りなどの好き嫌いもあるので難しい面もあります。

ミニ観葉植物

手入れが簡単なミニ観葉植物は、地域の園芸店やホームセンターで購入できます。特に、サボテンやエアプランツなどは管理がしやすく、癒しを提供します。小さな緑を部屋に置くことで、日常生活に自然の潤いを加えることができます。観葉植物は室内の空気を浄化し、リラックス効果をもたらすため、高齢者の生活の質を向上させる効果があります。また、植物の成長を見守る楽しみも提供し、心にゆとりを与えてくれます。季節に合わせた植物を選ぶと、その季節感を楽しむことができ、さらに喜ばれるでしょう。

地元特産品・農産品

地元の特産品を使った食品セット農産品も高齢者にとって嬉しい贈り物です。例えば、地元で作られたジャムや漬物、茶葉などを詰め合わせて渡すことができます。これにより、地域の味を楽しむことで、日常に彩りを加えることができます。特に、普段なかなか手に入らない特産品や、高品質な手作りの食品は、受け取った高齢者に特別な喜びをもたらします。また、食材に関するエピソードや産地の情報を添えることで、食べる楽しみとともに、地域の文化や歴史を感じてもらうことができます。地元の味覚を通じて、地域の絆を深めるきっかけとなるでしょう。

タオルセット

日用品として使えるタオルセットも喜ばれるプレゼントです。無印良品や百貨店などで購入できるシンプルなタオルセットは、実用的でありながらも感謝の気持ちを伝えることができます。高品質なタオルは、毎日の生活に役立つだけでなく、使うたびに贈り主の心遣いを感じてもらえます。また、季節に合わせて、涼感タオルや温感タオルなどを選ぶと、より一層の快適さを提供できます。名入れやメッセージを刺繍することで、特別感を演出することも可能です。

お茶やコーヒーのセット

スーパーや専門店で購入できるお茶やコーヒーのセットも喜ばれる贈り物です。ティーバッグやインスタントコーヒーを詰め合わせたセットは、リラックスした時間を提供できます。飲み物を楽しむひとときは、心を和ませるでしょう。特に、地元の茶葉やコーヒー豆を使った商品を選ぶことで、地域の風味を楽しんでもらえます。また、健康に配慮したハーブティーやデカフェのコーヒーなどを選ぶと、さらに喜ばれるでしょう。美味しい飲み物を通じて、日常の中に小さな楽しみを提供し、高齢者にリラックスした時間を過ごしてもらうことができます。

自治会や町内会の負担が少なく高齢の方が喜ぶプレゼントを色々と考えてみました。自治会長をやっていた2年の間に他の自治会長さんにもどんなものを敬老の日のプレゼントにしているか質問してみました。

サイト管理人

どんなプレゼントが喜ばれますかね?

他の自治会長

そりゃあ、食べてなくなるものだよ。

ちょっとしたお菓子や味噌汁セットなどそういうものが喜ばれるようです。

サイト管理人

もち吉の煎餅セットはめっちゃ評判だったww

まとめ

敬老の日は高齢化が進むにあたって自治会や町内会で出来ることは限られてきています。自治会員の中には

住民4

何故自治会の費用で金品を配るのか?

という意見を言われる方もいます。確かに高齢世帯は時間的にも金銭的にも若い世帯よりも余裕があるように見えます。自治会費で維持管理している集会場をフルに使って様々なサークル活動をしたりイベントをしたり…それで十分恩恵を受けてるはずなのに敬老の日だからって何かをもらったりするのはどうなのか?と意見が出てくるのも当然かもしれません。

これにはコロナ禍で様々な行事ごとが無くなったものの中に「登下校時の見守り活動」も含まれているからかもしれません。以前は多くの元気な高齢者が小学生の登校を見守りしたり下校時の見守り活動をしてくれていましたが、そのような活動もなくなりました。そのあたりもこのような意見が出る原因になっているのかもしれませんね。

結局…食べ物が一番ラク!

他の自治会長さん町内会長さんの意見を聞いても、高齢者の方の意見を聞いても不平不満が出ないのは当たり障りのない食品です。中でも日本人ならまず嫌いな人はいない「煎餅」が間違いありませんww

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この記事を書いた人

Katsuyuki Susakiのアバター Katsuyuki Susaki 自治会長・ウェブ屋

当サイトの管理人です。2022年度に組長が回ってくるタイミングで自治会長をやる羽目になりました。500世帯位の自治会で試行錯誤しながら理不尽な要望も聞きながら何とかやっています。そんな僕が自治会長をやって気付いたこと、今後の自治会運営についての考えなどを記事にしています。本業はフリーランスのウェブ屋。1965年製。空いた時間には愛車ヤマハボルトで遊んでいます。

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